Saturday, April 27, 2013

Any Day Now





偽映画評論家のおすすめ映画!!!


ANY DAY NOW   /  (2012) U.S.A.


まだ日本ではやっていなく、昨年の12月あたりにアメリカで上映された映画。i-movieでダウンロードして観ました。(アメリカのi-movieでしかダウンロードできません)


1970年代のゲイに対する法律や、取り巻く環境についての話しです。








俺と妻にはゲイの親友、そして多くの友人が存在します。幸いにもみんな素晴らしい人ばかりで、魅力的な人ばかり。建築のセンスが抜群の人もいれば、ファッションセンスも抜群の人。そしてとてもセンシティブな人もたくさんいます。遊んでいて飽きません。


俺はサンフランシスコで色々なゲイに出会いました。メッセンジャーをやっているときにカストロにデリバリーする時。アフターに寄るバーテンダー、クラブで襲ってこようとする勘違い、アーティスト、様々です。メッセンジャーでのストーリーは色々あって面白いですが、一番衝撃的な出来事だったのは、同じストリートで数ブロック下がったところに住んでいたある有名な歴史のあるポップアーティストの出会いでした。


サンフランシスコのKid Robotにて個展をした時、そのアーティストが僕の絵を購入してくれました。パーティーをやろうと誘われ(当時お金にすごい困っていたので、もしかしてクライアントになってくれるんではないかと思い)、住んでいるところが近いというのもあり、パーティに行きました。家の中は様々な色彩で、とりわけビビッドなピンクの絵がいくつもありました。まさに、ポップアーティストの鏡的な存在の彼、アートの事を色々話すわけですが、一番俺をびびらせたのが、来る客来る客に『超ディープキス』。


玄関でセックスし始めるんじゃないかというくらいな勢い。内心びびりました。女と男でもドキドキするのに、出会った事のない本気な異空間をくらいました。


あるお客が、俺に寄り添ってきて、色目を使って誘っているのが分かりました。ももに手をおいてきたりと。。。不愉快とかじゃなくて、マジ怖かったのを覚えています。まさにカルチャーショック。自分の育ってきた環境と全く違う世界に放り込まれてどうしていいか分からなかったんです。しかもぶりぶりだったし。


でも、そのアーティストが、いきなり大きな声でアナウンスをし始めました。『yoshiは日本から来た偉大なるアーティストで、彼はゲイではなくストレート。だから彼の事を好きになるのは自由だけれど、モラルは崩さないように』と。それからみんな、獲物じゃなくてちゃんと人間として接してくれて、僕が呼んだ女性とも楽しくパーティーをしてくれました。


それからというもの、自分の中でゲイに対する考え方がすごい変わりました。ゲイに対する一辺倒な考えである『変態/セックス』という文字は「井の中の蛙」であることに僕を気づかせてくれました。


それから、街でデリバリーをする時、アートレセプションな時、クラブな時、色々な場面で色々な人に出会いました。



最低な腐ったゲイもいれば、最高のかっこいいゲイもいると。



当たり前の事が当たり前に見えなかった俺を、少し大人にさせてくれました。



この映画は、当たり前の事が当たり前に見えない時代に、一生懸命戦ったあるゲイカップルの物語です。隣人である麻薬でジャンキーになった女性が逮捕され、一緒に住んでいた息子であるダウン症の子が路頭に迷うのを見ていられなくなった主人公が、どうやってその子と一緒に住めるかという、法と差別との狭間で戦う映画です。俺から言わせれば最高にかっこいいゲイカップルの映画です。



今もまだ、僕の周りには『you fucking gay man』とか、『ゲイっぽい』とか、色々発言する人もいるし、日本なんて特に毛嫌いする人がたくさんいますよね。結婚も許されていないような国です。そんな差別をしている人たちにおすすめです。そして自分がどれだけ視野が狭く愚かなのか心底知って欲しいと思いました。この映画のエンディングでその意味がすごい分かります。




『あなたの偏見と差別が、関係のない大切な命を奪いかねない』という事を知って欲しいと思いました。




あと素朴に、なぜゲイカップルは結婚を許されていないのか?疑問に思いませんか?